「PageSpeed Insightsのスコアが全然上がらない!」
「表示速度が遅いとSEO的によくないんだよね?」
こんなことをよく見かけますが、実は多くの人が勘違いしている点があります。
結論から言うと、PageSpeed Insightsの点数は気にしすぎる必要はないのです。
今回は、Googleが重要視するページの読み込み速度についてお話しします。
この記事を読めば、PageSpeed Insightsで見るべき正しいデータが理解できます。

- 本職は最高マーケティング責任者
- しんでぃブログ(主にブログ運営×SWELL)
- ブログ開設5か月目で5桁収益
Twitter : (@shinshindy33)
SEOで重要なのはPageSpeed Insightsの点数よりもフィールドデータ

SEOで重要な表示速度の高速化ですが、PageSpeed Insightsのスコアを一生懸命伸ばそうとしている方をたまに見かけます。
一番上にあんな数字出されたら誰でもそう思いますよね!
しかし、本当に重要なデータはPageSpeed Insightsのスコアではないのです。
先日行われたカンファレンス「Chrome Dev Summit 2020」で、Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏が、
検索ランキングには「フィールドデータ」を利用する
と明言しました。
以下の動画では、該当の箇所から視聴することができます。

これってどういうこと?フィールドデータって何?

まずはフィールドデータとラボデータについてお話ししますね。
ラボデータとは?
ラボデータとは特定の環境(デバイスやネットワーク)で測定した、ページがどのように読み込まれるかのシミュレーション結果です。

特定の環境で測定するので、計測結果はすぐに反映されます。
高速化対策をした前後での比較に役立ちます。
一方で、あくまでシミュレーション値なので、実態をとらえていない可能性があります。

うーん、ちょっと難しいなぁ

カンタンに言ってしまえば、人によっては、PCだったりスマホだったり、高速回線(5G)でつないでいる人もいれば、遅い回線(3G)でつないでいる人もいるわけですよね?

それぞれの人の環境によって表示速度は違うってことだね?

そうです。なので、特定の端末やネットワーク環境に絞ってシミュレーションして出された推定値です

なるほど。計測する人の環境によっては点数も変わっちゃうから、一定にしているんだね
フィールドデータとは?
一方で、フィールドデータとは、実際の様々なユーザーから取得したパフォーマンスデータです。

ラボデータとは異なり、様々な環境下で計測されているので、より正確なユーザーエクスペリエンス(ユーザーの体験)が分かります。

実際のユーザーが体感している現実的なデータを見ているということだね!
ユーザーから集められるデータのため、ラボデータとは異なり、計測には 28 日間かかります。
PageSpeed Insightsの点数はラボデータを基に算出されている

PageSpeed Insightsの点数は、上記で説明した「ラボデータ」を基に測定されています。
ラボデータは、6つの指標があります。
- FCP(最初のコンテンツ描画):15%
- SI(速度インデックス):15%
- LCP(最大コンテンツの描画):25%
- TTI(インタラクティブになるまでの時間):15%
- TBT(ブロック時間):25%
- CLS(レイアウトのずれ):5%
なんだか難しい単語がたくさん出てきましたね・・・。
左側の暗号のようなローマ字が「採点項目」、右側の%が「合計得点の得点配分」です。
これを見ると、合計で50%の配点を占めている、「LCP(最大コンテンツの描画)25%」と「TBT(ブロック時間)25%」が重要なことが分かりますね。

難しそうな言葉が出てきた!

LCPとTBTってわかりやすく説明するとどういうこと?

Googleの説明を見てみましょう!
LCP(Largest Contentful Paint): ユーザーが URL をリクエストしてから、ビューポートに表示される最大のコンテンツ要素がレンダリングされるまでの時間。通常、最大の要素となるのは、画像、動画、大きなブロックレベルのテキスト要素です。URL が実際に読み込まれていることが読み手にわかるという点で、この指標は重要です。
Search Console ヘルプ
つまり、最初に表示されるファーストビューで最も大きな割合を占めているもの。

主に画像や動画などがそれにあたりますね。
TBT(Total Block Time)は、レンダリングを妨げるリソース(不要なCSSやJavaScriptなど)によって、マウス操作やタッチ操作などの行動を起こせるまで待たされる時間のことです。

ものすごーくカンタンに言えば、「サイトの情報を読み込むまでは操作できませんよ」という時間のことです。
実際、LCPとTBTが改善されると、どれほどスコアが改善されるか分かります。

LCPとTBTのバーを動かすと、右にあるスコアが変わります。
例えば、LCPは下の図では4,735ms(ミリ秒)かかっていますが、左にスライドさせてかかる時間を下げると、スコアがどれほど改善するのかが分かります。


ホントだ!LCPスコアを100点にしてみたら、パフォーマンススコアが大きく改善される!

LCPとTBTがスコアに大きく関係していることが分かったよ!

だから多くの人が、画像を圧縮(LCP)したり、不要なCSSやJavaScriptを除去(TBT)してスコアを改善しようと試行錯誤しているわけですね
しかし今回、初めに説明したように、このスコアは検索ランキングには影響しないとGoogleが明言しました。
つまり、
PageSpeed Insightsのスコアを100点にしても、ラボデータを基にしたスコアである以上、SEOには影響しない
ということです。
Googleは、存在しない想定値よりも、実際のユーザーの目線を重要視するということですね。
SEO対策はPageSpeed InsightsのCore Web Vitalsを見るべし

ではPageSpeed Insightsでは実際にどこを観るべきなのでしょうか。
Core Web Vitals(コアウェブバイタル)の3要因を見るべし
答えは、Core Web Vitalsの3要因を見るべきです。
なぜならGoogleがそう言っているからです(笑)
Googleは、2021年5月以降、「Core Web Vitals」が検索ランキングの要因になることを正式にリリースしています。

Core Web Vitals?また難しい言葉が出てきたけど、どういうこと?

Core Web Vitalsとは、ユーザーが快適に利用できるように、Googleが掲示している指標のことです。つまりここを見とけ!ってことですね
Core Web Vitalsでは以下の3つのポイントが重要とされています。
- LCP(Largest Contentful Paint ):読み込み時間
- FID(First Input Delay ):インタラクティブ性
- CLS(Cumulative Layout Shift ):ページコンテンツの視覚的な安定性
LCP(Largest Contentful Paint)
先ほど説明した通り、最初に表示されるファーストビューで最も大きな割合を占めているもの。画像や動画などですね。
FID(First Input Delay )
操作に対する反応(レスポンス)の良さです。例えばクリックしたけど、なかなか反応してくれない場合は反応時間がかかってしまっています。
CLS(Cumulative Layout Shift )
視覚的な安定性。後から挿入される要素でずれる量のことです。

例えば、ページが表示されてテキストを読んでたら、後から読み込まれた画像が割り込んできてカクンっとずれることありませんか?

あるある!そのずれる量が大きいと安定性が低いってことか!
Core Web Vitalsの3要因はどこで確認できる?
ほとんどの人が、PageSpeed Insightsでは、上に表示される丸の中の数字(点数)を見ていると思います。

しかし、Googleがわざわざ「検索ランキングで大事!」とアナウンスしてくれている、Core Web Vitalsの3要因もPageSpeed Insightsで見ることができるのです。
それが、丸い円の点数のすぐ下に表示されている「フィールドデータ」なのです。

フィールドデータが十分に集まっていない場合、GoogleサーチコンソールでもCore Web Vitalsの「不良・改善が必要・良好」の3つの状態を確認することができます。



「低速」、「改善が必要」、「良好」 の各タブをクリックすると、グラフ上にそれぞれのURLの件数が表示されます。
さらに、下の「詳細」に改善すべき項目が出ます。

「改善」や「不良」の項目が多い場合は、対策が必要ですね。
高速化を実現するには、サーバー選びがかなり重要です。
おすすめはConoHa WINGです。理由はいたってシンプルで、「コスパがとてもいい」からです。
PageSpeed Insightsの点数はどう扱うべき?

PageSpeed Insightsで100点をとる意味は、あまりありません。
しかし、かといってPageSpeed Insightsのシミュレーション値を無視できないのも確かなのです。
それは以下の3つのケースです。
- フィールドデータが測定できない場合
- 改善作業をする時
- 改善できる項目を参考にする
フィールドデータが測定できない場合
アクセス数が少ないと、フィールドデータを取得できないため、ラボデータを参考にして改善するしかありません。
改善作業をする時
フィールドデータは、結果が出るまでに28日間かかります。
改善策を実施しても、すぐにフィードバックを得るには向いていません。
そんな時は、計測結果がすぐに反映されるラボデータを参考に対策を実施するしかありません。
改善できる項目を参考にする
PageSpeed Insightsでは、最適化のために提案される「改善できる項目」というものがあります。
これを改善することによって、フィールドデータの改善につながる可能性があるので、改善策の一つの目安になります。
おまけ:Lighthouseを使って他のパフォーマンスも確認してみよう
Lighthouseというツールを使うと、SEOなどその他のスコアも確認できます。
- Performance:PageSpeed Insightsの表示速度スコアのようなもの
- Accessibility:サイトの訪問者に対する見やすさや、検索エンジンのロボットに対して最適な作りになっているか
- Best Practices:https化などの推奨された技術を使っているかなど、適切な実装を行っているかどうか
- SEO:その名の通り、SEOの評価
Google Chrome右上の「︙」>「その他のツール」>「デベロッパーツール」(【Ctrl+Shift+I(MacではCommand + Option + I)】もしくは【F12】キーでもOK)でデベロッパーツールを起動します。
デベロッパーツールでLighthouseをクリックし、「Generate report」をクリックすると測定開始します。

しばらく待つと、以下のようなスコアを確認できる。

まとめ
以上、今回はPageSpeed Insightsの点数をSEOの相関関係のお話しをしました。
点数をあげるために、かならずしも躍起になる必要はないということですね。
まとめると、以下のようになります。
- PageSpeed Insightsで100点を目指す意味はない
- SEO対策で本当にみるべきはフィールドデータ
- フィールドデータが出るまで、ラボデータを参考に改善
表示速度や反応速度・表示のズレ(Core Web Vitals)などが、体感で気にならないようであれば、例えPageSpeed Insightsの点数が低くとも、フィールドデータは優秀な可能性もあります。
Googleはスピードが速いページを評価しているわけではなく、スピードが速いことでユーザーが満足するページを評価します。
ユーザーファーストがSEO対策として最重要であることは変わりないので、スピードだけにこだわらず、これまでのように品質や検索意図を満たして、ユーザーを満足させることを心がけましょう。